概要身体の片側にピリピリとした痛みを伴う、小さな水ぶくれが多発する病気です。症状は1カ月ほど続きます。水痘・帯状疱疹ウイルスによるもので、初感染では「水ぼうそう」となりますが、それが治った後もウイルスは神経内(脊椎の後根神経節内)に潜伏感染しています。免疫機能の低下(加齢やストレス、疲労など)によりウイルスが再活性化され帯状疱疹となります。日本人では80歳までに約1/3の方が帯状疱疹を発症すると言われています。2014年10月より小児の水ぼうそう予防接種が定期接種となりました。帯状疱疹の大規模研究(宮崎スタディ)によると、2014年以降、帯状疱疹の患者数が増加しています。これは、子どもの予防接種により水ぼうそうが減った半面、水ぼうそうに接する機会が減ったことで、ウイルスに対する免疫機能が弱くなり、体の中に潜んでいたウイルスが再活性化されやすくなったと考えられています。そのため、今後も帯状疱疹の患者さんが増えていくものと考えられます。治療開始が遅れた場合や高齢者、基礎疾患によっては皮疹が治っても痛みだけが長期間残る場合(帯状疱疹後神経痛)があります。帯状疱疹は一度だけでなく、何度も繰り返すことがあります。治療方法抗ウイルス剤の内服で治療します。痛みに対しては痛み止めの内服をします。皮疹が広範囲の場合や強い痛みを伴う場合、基礎疾患の状態によっては総合病院へご紹介になることもあります。ワクチン 帯状疱疹ワクチンには不活化ワクチン(シングリックス®)と生ワクチン(ビゲン®)があります。それぞれ、接種回数、効果、副作用、費用等で違いがあります。十分ご理解していただいた上で接種してください。シングリックスの接種間隔には決まりがあります。正しい期間に接種しない場合、名古屋市助成制度は利用できません。名古屋市助成制度は満50歳以上で名古屋市に住民票がある方が対象です。またワクチンの接種歴等で対象が異なります。接種前に必ずご確認ください。